退職代行サービスとは？（「最安」に飛びつく前に知っておきたい基礎知識）

はじめに、退職代行サービスの基本について押さえておきましょう。サービスの概要や誕生した背景、自分で退職する場合との違いを知ることで、「最安だからとりあえず頼んでみよう」と安易に考えることのリスクも見えてきます。

非弁行為とは？退職代行サービスの違法性・リスク

退職代行サービスを利用する際にしばしば議論になるのが、**「非弁行為（ひべんこうい）」**の問題です。これは**弁護士法に違反する行為**を指し、一部では「退職代行サービスは違法ではないか」と心配する声もあります。この章では、非弁行為とは何か、どんな場合に問題となるのかを解説し、適切にサービスを利用するための知識を提供します。

弁護士法第72条が禁止する「非弁行為」とは【解説】

まず、弁護士法第72条の規定を確認しましょう。弁護士法第72条（非弁護士の法律事務の取扱い等の禁止）には、 > *「弁護士又は弁護士法人でない者は、報酬を得る目的で、...その他一般の法律事件に関して鑑定、代理、仲裁若しくは和解その他の法律事務を取り扱い...することを業とすることができない。」* と定められています。要するに、**弁護士資格のない人や法人が、お金をもらって法律事務（代理交渉や和解など）を業として行ってはいけない**ということです。

Q4. 退職代行サービスを使うと違法になることはある？

**A.** 依頼者が違法になることはありません。**退職代行サービスを利用すること自体は法律で禁止されていません。違法かどうか問題になるのは**業者側の行為（非弁行為に該当しないか）です。依頼者が罪に問われることは基本的にありませんので、ご安心ください。

Q6. 会社から損害賠償を請求されることはある？

**A.** **可能性は非常に低いですが、ゼロではありません。**前述のQ2でも触れたように、有期契約を途中で辞めた場合や、引き継ぎなく急に辞めて会社に大きな損失が出た場合など、会社側が何らかの損害を主張することは考えられます。ただし、労働基準法第16条で**退職に際して違約金や損害賠償額の予定をする契約は禁止**されています。例えば「辞めたら罰金10万円」という誓約書を書かされていても、それは無効です。